2010年06月24日
もう削らないで
にんにちわ。
入れ歯の匠 戸井正樹です。

患者さんからいただいた喜びの声です。
いつもありがとうございます。
どんどん勧めて下さいね。
初診で来られたおばあちゃんが泣きながら言いました。
「先生、お願いだから入れ歯をもう削らないで下さい。」
入れ歯が痛くて食べられないという理由で来院されているのに、削らないでとはいったいどういうことなのかと思ってよく話を聞いてみると、
前の歯医者さんでさんざん削られて、削るたびに痛みがひどくなって、とうとう何も食べられなくなったので、もう削らないで欲しい
とのこと。
そうは言われても、当たり過ぎのところは削って調整しないとどうしようもありません。
そこで、おばあちゃんに
「絶対に食べれるようにしてあげるから、ちょっとだけ削らせてね。」
と約束して、調整しました。
入れ歯の調整は奥が深いです。
入れ歯を歯茎から浮かせることなんてできませんから、なるべく均一に全体で当たるようにしないといけません。
闇雲に削ると、どんどん合わない入れ歯になります。
いちばんまずいのが、患者さんが痛いというところを、どんどん削ることです。
歯医者の方で、調整するための客観的な基準とノウハウを持っていないと、言われるがままに削って取り返しのつかないことになります。
おばあちゃんは最後には、
「ありがとうございました。」
と、手を合わせてくれました。
拝まれたのは初めてです。
こちらこそありがとうございました。
私への質問は
toimasaki@e-mail.jp
まで、お気軽に
歯のことでも、歯に関係ないことでも何でもOKです。
ただしひとつだけお願いがあります。
なるべく多くの人と情報を分かち合いたいので、回答は原則公開とさせていただきます。
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戸井正樹
安心できる医療を目指す
阿知須歯科
754-1277
山口市阿知須4839-2
0836-65-2021
2009年11月29日
入れ歯は型取りが命です
こんにちわ。
入れ歯の匠 戸井正樹です。
患者さんから頂いた喜びの声です。
ありがとうございます。
もっともっと自慢していただきたいと思います。
おかげさまで、阿知須歯科では患者さんの紹介で来院される方がほとんどです。
入れ歯の上手い下手は簡単に患者さんにも分かってしまうので、それでご紹介いただけるのは本当にうれしいことだと思っています。
今日は入れ歯の型取りの話をしようと思います。
阿知須歯科では入れ歯の型取りを、通常は2回に分けて行います。
これは「個人トレー」といって、その方専用の型取り装置です。
1回目の大まかな型取りでこの個人トレーを作ります。
そしてこの個人トレーを使って
正確な型取りを行うのです。
どうして個人トレーを使うのかと言うと、理由は大きく分けて2つあります。
ひとつは入れ歯の形を正確に作るためです。
上の写真は型をとったトレーの写真ですが、これがそのまま入れ歯の形になります。
こういう作り方をしないと、いったいどこまで入れ歯を大きくしていいのかさっぱり分からなくなります。
そして、やたら大きな入れ歯になったり、とても小さな入れ歯になったりします。
総入れ歯の場合は、この型取りの作業がとても大事です。
これがうまく取れていないと、出来上がってから修正することはほぼ不可能なんですね。
だから私も型取りの時にはすごく集中して時間がかかります。
一度始めたらかかりきりになってしまうので、他の患者さんを待たせてしまうこともしばしばです。
確かに手間もかかって大変なのですが、しっかり作れば患者さんも喜んでくれるので、ここで手は抜けません。
二つ目の理由は、型を取るときに使う型取り剤の量をなるべく少なくするためです。
別にケチっているわけではなくて、型取り剤の量が少ないほど変形が起こりにくいので、よりしっかり合うようになるのです。
恥ずかしながら、トイも昔は入れ歯が合わないのは技工士さんのせいかと思っていました。
でも、型がきちんと取れていないと、どんなに技工士さんがきっちり作っても、いいものができるわけありません。
今はおかげさまで、いい技工士さんにも恵まれて、最高の入れ歯を提供できるようになりました。
もし入れ歯でお困りの方がいれば、お待ちしています。
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2009年11月18日
老後を楽しく生きる三カ条
入れ歯の匠 戸井正樹です。
患者さんからいただいた喜びの声です。
ありがとうございます。
男性の方はこういったシンプルな感想を書いて下さいます。
本当に咬めてるんだろうなあと思ってうれしくなります。
先日ラジオで「老後を楽しく生きる三カ条」というのをやっていました。
その三カ条とは
しっかり咬めて、おいしくものが食べられる
きちんと話ができて、意思の疎通ができる
足腰が丈夫で、自分でどこでも行くことができる
だそうです。
しっかり咬むことも、しゃべることも歯がとても大事なのですが、3番目の足腰が丈夫ということにも、実は歯がとても関係しているのです。
最新の研究で、噛むためのアゴの筋肉と、歩くための足の筋肉には特別な関係があることが分かってきました。
咬むためのアゴの筋肉が弱ってくると、それだけで足の筋肉も弱ってくるということが、研究の結果確かめられたのです。
きちんとした入れ歯を入れずに、咬まずに飲み込むような食事を続けていると、咬むためのアゴの筋肉が弱ってきて、歩けなくなってしまいます!!
咬むということはとても大事なことなのですね。
そう言われてみると、「入れ歯で何でも食べられますよ」と言われる方は、お元気で80歳になってもご自身で歩いて診療所まで来られますね。
咬むだけではなく、歩くことにも役に立っている、そう考えると「入れ歯」を作るのがまた楽しくなってきました。
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2009年11月03日
小さい入れ歯と大きい入れ歯
入れ歯の匠 戸井正樹です。
阿知須歯科に届いた喜びの声です。
「最高」と言っていただきました。
ありがとうございます。
この声を励みに一生懸命入れ歯を作っています。
小さい入れ歯と大きい入れ歯
どちらがいい入れ歯だと思いますか?
一般の方はおそらく小さい入れ歯の方が違和感も少ないし、痛みも少ないと思われると思います。
正解は、大きい入れ歯の方がいい入れ歯です。
(もちろんやみくもに大きな入れ歯は最もダメな入れ歯ですが・・・。)
入れ歯は大きい方が痛いと思われがちですが実際は逆です。
ご自分のおなかを押していただきたいのですが、指一本で押すのと手のひらで押すのとどちらが痛いですか?
指一本の方が痛いですよね。
全体にかかる力が同じならば、接触面積が小さければ小さいほど、そこにかかる圧力は大きくなります。
これをパスカルの原理といいます。
つまり入れ歯は小さくなればなるほど痛くなるんですね。
では、大きくすればいいのかというとそういうものでもなくて、何も考えずに大きくすれば、これも間違いなく痛くなります。
お口の中に指を入れて、口をすぼめたりしてもらえばすぐに分かるのですが、ほっぺたや唇と歯茎の境目に、動くところと動かないところの境界線があります。
この境界線を越えて入れ歯を大きくすると、唇やほっぺを動かした時に食い込んで痛くなります。
この境界線より短くしすぎると、入れ歯の中に物が入ってきます。
つまり、動くところと動かないところのちょうど境目に入れ歯の端をもってこないといけないのです。
これがきちんとできている入れ歯が右の入れ歯、できていないのが左の入れ歯になります。
一見小さい入れ歯の方が具合が良さそうですが、動くしものは入るしで大変です。
でも、そのぎりぎりのところを見極めて、できるかぎり大きな入れ歯を作るのは至難の業なので、たいていの入れ歯は小さくなります。
私でも時々大きくしすぎて、傷を作ることがあります。
でも、きちんとした大きさで作った入れ歯は動かないしものも入らないし最高です。

(きちんとした大きさで入れ歯を作った患者さんの喜びの声です。たいていの方は小さい義歯を入れているので、私が作り直すと最初は大きさにビックリされることもありますが、使ってもらうとこうなります。)
「こんなにぴったりなのは初めてです。」
そんな声がまた聞きたくて、今日も一生懸命入れ歯を作っています。
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2009年10月31日
なぜかき餅が食べられるのか?
こんにちわ。
入れ歯の匠 戸井正樹です。

また、患者さんの喜びの声をいただきました。
ありがとうございます。
「入れ歯 万歳」とまで言っていただきました。
歯医者冥利につきますね。
以前、クワトロブレードという特殊な人工歯を使って、かき餅が食べられる入れ歯を作った、というお話をしました。
(人工歯とは入れ歯につける歯のことです)
すると、「なぜその特殊な人工歯を使うだけで、かき餅が食べれるようになるのか?」
という質問をいただきました。
すいません。
クワトロブレードのことを詳しくお話していませんでした。
クワトロブレードは私の入れ歯の師匠である日本歯科大学新潟歯学部の小出教授が開発された人工歯です。
では、このクワトロブレードの何がすごいのかを説明しますね。
入れ歯の人工歯に「ブレードティース」というものがあります。
ブレードは英語で「刃」、ティースは英語で「歯」、だからブレードティースは直訳すると「刃歯」となります。
現物は
こんな感じで、「刃」のようにとがった金属が入れ歯の人工歯に組み込まれています。
この「刃」の部分で、包丁とまな板でものを切るように、食べ物を咬みきることができます。
歯そのものがかなりとんがっているので、より少ない力でものを咬みきることができます。
小出教授のクワトロブレードは
この歯の金属のとんがっている部分が、樹脂(プラスチック)でできています。
一見すると普通の人工歯のようですが、よく見ると歯の山の部分がとんがっています。
プラスチックと金属とどっちがよく切れるかと言えば、もちろん金属の方がよく切れます。
なのになぜわざわざプラスチックで作るのでしょうか?
それは、プラスチックで作れば、保険がきくようになるからです!!
金属のブレードティースで入れ歯を作ろうとすると、何十万円もかかります。
保険で作れば何千円、3割負担の方でも二万円弱で作れます。
実は健康保険の適応をとるというのは、ものすごく大変なことなのです。
それだけ咬める人工歯なので、自費でやってもよさそうなものなのですが、医療は社会保障であるという信念のもと、なるべく多くの人に最良の治療を行うため、小出教授は多大な労力を払ってこの人工歯を保険が効くようにしてくれました。
おかげで私も本当にたくさんの人にこの歯を使って、とても喜ばれています。
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2009年10月23日
入れ歯安定剤ソムリエ
こんにちわ。
入れ歯の匠 戸井正樹です。

去年子供が生まれた時にいただいた患者さんの声です。
ありがとうございました。
私は咬めるだけではなく、見た目もきれいになるように心がけているので、それで喜んでいただけるとやっぱり嬉しいです。
今回は入れ歯安定剤の話をしたいと思います。
「おばあちゃん。ポリデント。ポリデント。」
と、テレビでよくCMをやっているあれです。

日本の入れ歯安定剤の市場は111億円。
凄い額ですね。
日本にはこれだけ入れ歯で困っている人がいるのです。
入れ歯って、安定剤を使わないと使えないものなのでしょうか?
私は以前は「入れ歯安定剤を使わせたら歯医者の負け!」だと思っていました。
今は「患者さんが快適に使えるのであれば、何でも有り!」だと思っています。
もちろんそれには、これ以上は無理でしょうと言うくらい一生懸命入れ歯を作って、それでも足りない部分を安定剤で補うということが大事です。
あまりにもアゴが痩せている方の場合には、どんなに合う入れ歯を作っても、それだけでは安定しない方も中にはいらっしゃいます。
私の患者さんの中にもそういった方がいらっしゃいます。
その方は今まで私が診せてもらった患者さんの中でも1、2を争うくらいアゴが痩せていました。
どんなにピッタリ作っても、お口の中で安定させることができません。
最終的には下のアゴには入れ歯用のインプラントをしました。

普通のインプラントは入れ歯にしないために使うのですが、私は入れ歯を安定させるためにインプラントを使います。
もしインプラントを併用してもいいよということであれば、どんなにアゴが痩せていても入れ歯をがっちり安定させることができます。
この入れ歯用のインプラントを使った他の患者さんからは
「入れ歯ということを忘れていた。」
という言葉をいただきました。
下のアゴはインプラントで解決したのですが、問題は上のアゴです。
普通は上のアゴは入れ歯が合いやすいので、上の入れ歯で苦労される方は少ないです。
だから、上のアゴが痩せていて入れ歯が合わない場合はとても苦労します。
上のアゴには入れ歯用のインプラントも使えません。
この患者さんは自分で、ありとあらゆる市販の安定剤を試して、自分にピッタリあった安定剤を探しあてました。
今ではアワビでも何でもバリバリ食べています。
この患者さんと安定剤を試していく課程で、私も入れ歯安定剤に詳しくなりました。
今は安定剤は使わないに越したことはないけれど、上手に併用すれば入れ歯がもっと快適になると思っています。
でも原則は、
使わないですむように、入れ歯をしっかりと合わせる。
それでも足りない部分は安定剤で補う。
ということです。
そのとき使う安定剤も、患者さんが自分で選ぶのではなくて、私が一緒に選んでいます。
まるで安定剤ソムリエです。
そうは言っても、私が入れ歯を作った方で安定剤を併用されている方はほとんどいらっしゃらないのですが、もし使うのであれば本当に使いやすいものを使って、快適にお食事をしていただきたいと思っています。
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2009年10月18日
かき餅が食べたい
こんにちわ。
入れ歯の匠 戸井正樹です。

先日入れ歯を作った患者さんから、
「先生の作った入れ歯で20年ぶりに大好物のかき餅が食べられた。ありがとう。」
と言われて、かき餅をいっぱいいただきました。
かき餅っておいしいですね。
ありがとうございました。
ちょうど改装の業者さんが来られたので、いっしょに食べました。
業者さんもおいしいと言って、半分持って帰りました。
自分の歯があるときはかき餅くらいって思われるかも知れませんが、入れ歯で硬いものを噛むって大変なのです。
一般に総入れ歯の場合、噛む力は歯があるときの10分の1位になると言われています。
10分の1では硬いものは噛み切れませんよね。
ではどうやってかき餅が食べられる入れ歯ができたのでしょうか?
その秘密は「歯」にあります。
入れ歯で使う歯、私たちは「人工歯」と呼んでいますが、この入れ歯用の人工歯は天然の歯よりは小さめに作ってあります。
入れ歯になると噛む力が弱くなるので、それにあわせて歯のサイズも小さくしてあるのです。
ただでさえ噛む力が弱っているのに、歯まで小さくなってはますます噛めないですよね。
それでも噛める入れ歯を作るために、私はかなり特殊な人工歯を使っています。
私の師匠、日本歯科大学新潟歯学部の小出教授が開発して、3カ国で特許を取っている人工歯、
その名も
「クワトロブレード」
です。

こういった優れた技術が開発されても、健康保険の適応をとらずに自費でされる方が多いのですが、小出教授の凄いところはこれだけの凄い技術を保健適応にして、健康保険で使えるようにしたところです。
(実は健康保険の適応にするのは凄くめんどくさいんですよね)
おかげで、このクワトロブレードを使った入れ歯を、すでに200人以上の方に使っていただいて、大変喜んでいただいています。
総入れ歯に関して言えば、ほぼ最高のものを健康保険の範囲内で作ることが可能です。
唯一の欠点は、入れ歯がよく壊れます。
(もちろんそんなにすぐは壊れませんけど)
かき餅だろうがなんだろうがよく噛めるので、患者さんは硬いものでもバンバン噛みます。
保健の入れ歯は材質が樹脂(プラスチック)で出来ているので、かき餅とかアワビとか硬いものと毎日ケンカをすれば、必ず負けるんですね。
でも、壊れるのが自分の体じゃなくて入れ歯だったらすぐに修理できますし、作り直しもできます。
気にせずに毎日おいしいものを食べていただくように、患者さんにはお話しています。
日本は本当にいい国です。
海外できちんと使える入れ歯を作ろうと思えば、下手をするとうん百万円かかります。
それが、わずか数千円で作れるのです。
3割負担の方でも2万円くらいです。
小泉さんのおかげで、そんな世界に誇れる健康保険制度もメチャメチャにされたので、鳩山さんにはがんばって欲しいと思っています。
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2009年10月17日
歌う入れ歯
入れ歯の匠 戸井正樹です。

また喜びの声をいただきました。
本当にありがとうございます。
とても励みになります・
入れ歯で困っている人をゼロにするのが私の目標です。
先日、患者さんから
「入れ歯の歯と歯の間を削って、隙間をあけてもらえないかしら。」
と言われました。
普通なら
「そんなことしたら見た目もおかしいし、食べ物もはさまるからできません。」
と言っておしまいなのですが、私は「心理カウンセラー」のライセンスも持っているのでそんなことはしません。
患者さんがそんなことを言うときには、かならず背後に隠れた欲求があります。
「どうして隙間をあけたいのですか?」
と聞くと、その患者さんは
「コーラスをやっているんだけど、どうしても声が通らないの。
歯と歯の間に隙間をあければ、声が通るようにならないかしら?」
と言われました。
なるほど、私たち歯科医師は入れ歯は噛めればいいと思いがちですが、(実際ちゃんと噛める入れ歯を作るだけでもかなり大変なのです)それ以外にもいろんな欲求があるのです。
いろいろお話を聞いてみて、私はある提案をしました。
今は使っていない入れ歯を改造して、歌を歌う時専用の入れ歯を作りましょう。
私も自称「歌う歯医者」というくらい歌うことが好きなのでよく分かりますが、発声には口の中の形は凄く重要です。
歌う入れ歯を作るために、まず上あごの入れ歯の中をえぐります。
これで、声が通るようになります。

それではなぜ、最初からえぐって作らないのでしょうか?
このえぐった形の入れ歯は正式名称「無口蓋義歯」といいます。
この形の方が快適なのは分かっているのですが、通常はこの形では作りません。
理由は簡単で、アゴにひっつかないからです。
(実はひっつける方法はいくつかあるのですが、話が長くなるのでまた機会があればお伝えします)
もう一つの理由が、アゴがやせやすくなるからです。
全体として同じ力が加わる場合、その力のかかる面積が小さくなればなるほど圧力は大きくなります。
分かりやすく例えると、自分のおなかを押してみて、手のひらで押すのと、指一本で押すのとどちらが痛いですか?
指一本の方が痛いですよね。
つまり、入れ歯の面積が小さくなればなるほど、アゴにかかる力は大きくなり、また不均一になります。
不均一な大きな力が加わると、アゴの骨はドンドン痩せていって、入れ歯もますます合わなくなります。
だから、私は師匠に無口蓋義歯は作らないように強く言われています。
(もちろん、えづいてどうしても通常の形の入れ歯が入れられない方の場合は作ります。)
今回の場合は、噛む入れ歯ではなくて、歌う入れ歯なので、えぐっても大丈夫なんですね。
もちろん外れやすくなっていますので、歌う間は外れないように入れ歯安定剤を併用します。
この「歌う入れ歯」を入れて、患者さんはとても喜ばれました。
患者さんの思いは百人百様です。
噛めるのはもちろんのことなのですが、本当に満足して使ってもらえるようにいつも願っています。
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2009年10月16日
痛くて噛めない入れ歯の話
入れ歯の匠 戸井正樹です。
また患者さんから喜びの声をいただきました。
とても嬉しいです。
ありがとうございます。
この喜びの声を励みに一生懸命入れ歯を作っています。
「よその歯医者で入れ歯を作ったけど痛くて食べれない。その歯医者さんからはよそで作り直してもらいなさいと言われた。」と言っておばあちゃんが来院されました。
歯医者がそんなことを言うとは考えられないので、おそらく患者さんの聞き違いだと思うのですが・・・
もちろん、入れ歯を作ってと言われれば喜んで作ります。
ただし、ひとつだけ問題があって、実は健康保険で入れ歯を作った場合には、6か月間があかないと新しい入れ歯を作れない、というルールがあります。
これはたとえ歯科医院を変わったとしても、6か月は新しい入れ歯は作れません。
なぜこんなルールができたのでしょうか?
実ははるか昔、このルールができる前は、歯医者を転々としながら、合う入れ歯ができるまで、次から次に新しい入れ歯を作る人が何人もいたそうです。
そんな人は決まって、前の歯科医院で作ってもらった入れ歯を何個も袋の中へ入れて下げてきて、
「今までこんなに作ってもらったけどまだ合わん」
と言っていたとのこと。
一度入れてみて合わないからといって、次から次へと新しいものを作られては、健康保険の方もたまりません。
そういう経緯もあって、半年の縛りというものが導入されたそうです。
そんなに入れ歯って合わないものなのでしょうか?
私は年間200人以上に入れ歯を作っています。
これは平均的な歯科医院の2倍以上の数字です。
そして私の作った入れ歯で、一回も調整せずにおいしく食べられる方が約33%いらっしゃいます。
1回だけ調整が必要な方が約30%
残りの方は残念ながら2回以上の調整が必要になります。
全体の平均の調整回数は約1.7回になっています。
統計上は私が入れ歯を作れば、2回まで調整をさせてもらえるのであれば、おいしく食べれるようになることになります。
私は新しい入れ歯を最初に入れるときには、すごく時間をかけて調整します。
以前は診療所で実際にお漬物を食べていただいていたのですが、この方法だと入れ歯をお口から出して削るたびに、入れ歯をきれいに洗わないといけないで、とても時間がかかりました。
最近はお漬物ではなくてガーゼを咬んでいただいています。
このガーゼがお口の中のどこで咬んでも痛みがなくちゃんと咬めるようになるまで、帰しません。
そこまでやっても、3人のうち2人は、家に帰って使ってみるとどこか痛いところが出てくるのです。
入れ歯って奥が深いですね。
患者さんの中には、何回も調整に来たら気の毒だからと我慢される方もいらっしゃいます。
ちょっと削れば快適にお食事ができるのに、といつも思います。
そうならないためにも、可能な限り調整なしでおいしく食べられる入れ歯を作りたい。
そう思って毎日入れ歯を作っています。
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